皆さんご存じのように、MCP(Model Context Protocol)は、2024年にAnthropic社が主導して開発された、異なるAIツール間を標準化されたプロトコルで接続する革新的な仕組みです。
前回の記事では、MCPサーバーを自作し、ローカルのMCPクライアントから(Claude Desktop)Difyにアクセスする方法をご紹介しました。
DifyのMCPサーバーを自作し、Claude DesktopからRAGを呼び出す最もシンプルな方法
意外と簡単にMCPサーバーを自作できることをご理解いただけたかと思います。
今回はMCPサーバーを自作せずとも、簡単にDifyをMCPサーバーとして公開する方法をご紹介します。
Dify v1.6.0では、MCPの双方向サポートがプラットフォームレベルで統合されました。これは単なる機能追加ではなく、Difyのアーキテクチャ自体がMCPを前提として再設計されたことを意味します。
従来のAPIベースの一方向通信とは異なり、Dify v1.6.0では以下が可能になりました:
これにより、Difyが真の意味でAIエコシステムのハブとして機能します。
公式ブログでは、この革新的な実装について詳しく解説されています: https://dify.ai/blog/v1-6-0-built-in-two-way-mcp-support
多くのツールがMCPサポートを後付けの機能として追加しているのに対し、Dify v1.6.0のアプローチは根本的に異なる哲学に基づいています。 Dify V1.6.0では、MCPサポートがネイティブ機能として設計されており、プラグインや外部ツールに依存することなく、システムの中核機能として統合されています。この設計により、追加のコンポーネントをインストールしたり、複雑な設定を行ったりする必要がなく、ユーザーは即座にMCPの恩恵を受けることができるようになったわけです。
パフォーマンスの面では、後付けの実装とは異なり、最初からMCPプロトコルを念頭に置いて最適化された実装が施されたことにより、通信のオーバーヘッドが最小限に抑えられ、レスポンス時間の向上と安定した動作が実現されています。