はじめに

第6章では、AIがデータベースと自由に対話できる基本システムを構築しました。この付録では、さらに高度な機能としてプロンプト機能を実装し、データ分析を標準化・効率化する方法を学びます。

📖 前提条件 この付録は第6章の内容を完了していることを前提としています。まず第6章で基本的なデータベース連携サーバーを実装してから、こちらに進んでください。

プロンプト機能でデータ分析を標準化する

第6章で作成したシステムにより、AIはデータベースと自由に対話できるようになりました。しかし、よく考えてみてください。同じような質問を何度も繰り返していませんか?

これらを毎回自然言語で説明するのは面倒です。第2章で予告した「プロンプト」機能を実装することで、事前に定義された分析テンプレートを選ぶだけで、高品質な分析が実行できるようになります。

プロンプトとは何か?

プロンプトは「定型文のテンプレート」です。レストランのメニューのように、よく使う分析パターンを事前に定義しておき、必要な時に選んで使います。

プロンプトの本質

MCPにおけるプロンプトは、以下の特徴を持ちます:

  1. ユーザー主導: AIが自動的に選択するのではなく、ユーザーが明示的に選択
  2. パラメータ化: 状況に応じてカスタマイズ可能なテンプレート
  3. 再利用可能: 一度定義すれば何度でも使える
  4. ツールへの橋渡し: AIがどのツールを使うべきかのヒントを提供

例えるなら、プロンプトは「レシピ」のようなものです。材料(パラメータ)を指定すると、AIシェフが適切な調理器具(ツール)を選んで料理(分析結果)を作ってくれます。

FastMCPでのプロンプト実装

FastMCPでは、プロンプトの実装が非常にシンプルになっています: